徒然なるままに

日常のあれこれなど

『フルーツバスケット』(2019年版)で泣く!

知る人ぞ知る、高屋奈月先生原作のコミック、『フルーツバスケット』。
原作コミックが連載をスタートしたのは1998年からとのこと。私はもうすっかり大人になっててコミック雑誌を卒業した年齢だった。

その後2001年に一度アニメ化されたらしいんだけど、原作すら知らずTV放送の時間帯にはガッツリ仕事していた社会人の私は、まだその作品の存在を知る由もなく。
2019年のアニメ化で漸く知ったのですよ、『フルーツバスケット』を。

いや、マジ、泣きました。
え? 泣くよね? 泣くでしょ?(笑)

きっと、大人になって観たから良かったのかも知れない。
そんな、たいした大人じゃないけけれど、人の想いとか親の愛情とか、生きることのしんどさとか、自分が子供の頃に感じたことも含めて、今はほんの少しだけ俯瞰して見られるようになった年代で、この作品を観ると、もう至る所で涙腺崩壊しそうで、ヤバかった。

多分、コミックが連載された当時にリアルタイムでコミックを読んだり、2001年版のアニメもその当時に観ていたら、勿論、感動はするんだろうけど、今ほどの感慨は得られなかったかも知れない。主人公主体で物語を追っかけていただろうしね。

今回の2019年版のアニメは、原作者の高屋奈月先生が総監修として関わられたらしくて、キャラ画も先生の画に寄せないようにって要望を出されたようで、声優さんも2001年版のアニメから一新されたみたいなんだけど。
2001年版のアニメファンの方からすると、イメージが違うとか色々と思うところはあるよね。ネットでもそういう意見とか見たりするし。
でも2001年版のアニメを知らない私からすると、「原作コミックが読みたい!」って思うくらいに素敵だった。
うん。だから原作コミック、全巻ゲットして、読んだよ!
全部読んで、そしてますます2019年版のアニメが好きになった。

でも今回の2019年版のアニメで一番私を揺さぶったのは、主人公の本田透ちゃんの母親である本田今日子さんだった。TVシリーズではほんの僅かしか今日子さんのシーンは観れないけれど、今日子さん、凄く凄く足掻いて藻掻いて、それでも娘のために頑張ったひとなんだよ。そして愛情深い人。
特に、TV本編の第3シーズンで今日子さんが透ちゃんを想って希う台詞が堪らない。
ここで私は大泣きした。

どうか透が幸せになりますように……。
どうかたくさんのひとに愛されますように……。
迷っても間違っても最期には生きたことに誇りを持てる、頑張ったねって言って貰えるような一生を送って……。
嬉しいことや悲しいことを繰り返して……そうやって歳を重ねていくんだよ……。

あぁ、アカン。グッとくる……。(T_T)

また、2019年版のアニメ本編では描かれなかったけど、そんな今日子さんと、透ちゃんの父親である本田勝也さんの物語が映画で公開されて、この6月にブルーレイが発売になったのね。勿論、ブルーレイ買って観たですよ。そしてこのブルーレイでまた涙腺崩壊しましたですよ。

勿論、アニメだから、本田今日子という人間の全てが描かれているわけではないし、フィクションだからね。美化されてデフォルメされてるのは百も承知。
親だって人間だもの、色々あるよね。

正直言うと、亡くなった私の母親は毒親に近かった感じで、娘の目から見れば、どうしようもないひとだなぁってイラつきもしたし嫌悪もしたけれど。
亡くなった後の遺品整理で、母親が寝たきりになる前に書いていた家計簿とか日記とかがいっぱい出てきたのね。しかも通帳とかカードとか挟んであって、おいおい……と中身を確認したら、そこかしこに書かれてあった不平不満のオンパレードの最後に決まって「娘がどうか幸せになりますように」って書いてはったんよ。
不平不満と一緒に書かないでよ、と思いつつ、その時、私、母親が亡くなってから初めて泣いたわ。

だから、今日子さんの娘を想う気持ちがヒシヒシ伝わってきて、涙腺が大崩壊。
どうしようもなかった私の母親でさえ、娘の幸せを願ってたのかも知れないと思うとね、今日子さんなら尚更だろうって。

ま、私の母親の場合は、自分が老後、安泰に暮らせるための「財布代わり」にしか私のこと思ってなかった節はあるんだけども。もう鬼籍に入っしまった人ですもんね。今はもうね、感謝しかない……かな。

大人になって観た『フルーツバスケット』に、まさかここまで泣かされるとは思ってもみなかったけれど、今日子さんが幸せを希う娘である主人公の本田透ちゃんが、本当に人と真摯に向き合う誠実で優しい女の子だってのが根幹なのよね。その透ちゃんの優しさに、心の中に孤独と葛藤を抱え生きてきた草摩一族の登場人物たちが、絆を紡いでいくという、人の優しさを存分に味わえる作品だなって感じたの。

人間はエゴの塊だから、ぶつかり合っちゃうし、傷ついたり傷つけたりして、生きていくの、難しいよって思うことばかりだし、今は大人、子供にかかわらず生き辛い世の中なのかも知れない。それに人の優しさの形は人それぞれだから、気付きにくいしね。
本田透ちゃんも言ってた。

優しさは身体が成長するのと同じで、自分の中で育てていく心なんだって。
だから人によって優しさの形は違うんだって。

これは、母親の今日子さんから言われた言葉みたいで、今日子さんの、幼い頃の透ちゃんに言った言葉がとても良くて。

欲望は誰でも生まれながらに持ってるから理解しやすいけど、優しさは個人個人の手作りみたいなもんだから……、誤解されたり、偽善だと思われやすいんだよな……。でも、透は……、透は信じてあげな……。疑うなんて誰にでも出来る簡単なことだし。透は信じてあげられる子になりな……。それはきっと……、誰かの力になる。

この今日子さんの言葉。
「フィクションだから、そんな綺麗事が言えるんだよ」なのかも知れないけれど。
出来れば、そういう人間でありたいと思う。難しいけど。
それに親の立場からすれば、それはまるで『馬鹿な旅人』じゃないかって。子供を想えば想うほど、少しでも苦労しないようにって願えば願うほど、遠くなっちゃうかも知れないし。

この『フルーツバスケット』を観れば観る程、考えさせられるんだよね。
現実ではあり得ないフィクション、でも、そんな優しさの世界を希う自分。
色々な感情が綯い交ぜになって、涙腺が緩み心が締め付けられるんだけど、それでもやっぱり観てしまう。

個人個人の手作りの、色々な形の優しさにワクワクすると言う本田透ちゃんのような、そんな価値観を少しでも持てたらいいな。
ま、人生、ここまで生きてきて、価値観を変えるのは至難の業だろうけども、希望は捨てたくないわけで……。

「一気に観るシリーズ」に追加の作品ですな。

因みに、2019年版の『フルーツバスケット』の詳細は下記から。

TVアニメ「フルーツバスケット」公式サイト

全世界コミックス発行累計3000万部!世界中の人々のこころをつかんだ「フルーツバスケット」が全編アニメ化!原作:高屋奈月、監督:井端義秀、シリーズ構成:岸本 卓、キャラクターデザイン:進藤 優、アニメーション制作:トムス・エンタテインメント、キャスト:石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬中村悠一ほか

また、GIFMAGAZINEにも公式サイトがあって、動くキャラGIFとか、占いGIFもあって、私、結構楽しんで占いやってマス。(笑)

TVアニメ「フルーツバスケット」【公式】 | GIFMAGAZINE

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