徒然なるままに

日常のあれこれなど

舘山寺温泉『ホテル九重』の思い出

旅行をする時、出来るなら車で行きたい派の私。
先日ネットサーフィンしてたら、約30年前、当時、車を買ったばかりの頃で、初めて車で旅行した舘山寺温泉の『ホテル九重』が営業を終了したって記事を見つけて吃驚!
しかも営業終了は1年前で、現在解体中って、嘘でしょーっ?! マジで?! って言うか、1年前にか?! Σ(゚□゚;
その記事を見た瞬間、時代の流れというか、何かちょっと寂しくなっちゃって。

距離にしたら290キロちょっと。高速使って約4時間。車での長距離旅行デビューでね。
ホテル九重の開業は1987年って書かれてあったから、私が訪れたのは開業して5~6年の頃ぐらいだったんだなぁと。車でホテルのエントランスまで入っていくと、どーんと10階建の建物が出迎えてくれて、中に一歩足を踏み入れれば、落ち着きある和のテイストの高級感に、若輩者の自分が泊まっていいホテルなん? と、ちょっとドキドキしたのを覚えてる。ロビーの大きな全面窓からの景色は、さながら絵画のようで別世界。(笑)
そのロビーで絵画のような景色を眺めながら珈琲ブレイクしただけなのに、もの凄い贅沢をしてるわ、私……って思ったな。(笑)

30年前と言えば、バブルが終わり「失われた10年」へと突入していく、まさに入り口の時期だったんだろうけど、私はまだ社会人一年生。バブルの恩恵を受けたわけでもなかったから、急下降していく経済というものをヒシヒシと肌身に感じることもない、今思えば世間知らずなお気楽過ぎる若者だったんだと思う。
だから、大学時代の先輩達が社会人になってバブル時代を楽しんだように、自分達も社会人になったら楽しみたいと素直に思ってた。(;^_^A アセアセ
だって、バブル真っ只中の時は、私はまだ大学生で、学費のために、ひたすらバイトしてたし。その頃、先輩達はブランドもの身に着けて、スキーだ! ハワイだ! ボーナスは12ヶ月分! と楽しそうに話してるの聞いたら、そりゃ憧れちゃいますよ!(爆)

うん、私も随分とバブルの熱に浮かされていたんだと思う。
だから、ほんと中身は全然お子ちゃまなのに、大人の仲間入りがしたくて、随分と背伸びして泊まった――今、振り返るとそうだったのかも知れない。(;^_^A アセアセ

けれど、そういう背伸びした経験は、こっ恥ずかしくもあるけど、今となっては素敵な思い出になってるのよね~。(笑) とは言え、背伸びしちゃうと全然、心の余裕が持てないからね~、トータル的にはとても勿体ないとは思う。

それが証拠に、初めての長距離運転という高下駄まで履いた30年前は、変にアドレナリンも出まくってたらしく、私、やり遂げたぜっ! っていう妙な達成感と言うか満足感もあって、目に映る世界が眩かった。ま、一種のオーバーヒート状態だったんだろうねぇ~。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

もしもう一度、ホテル九重に泊まることが出来るのなら、30年前の私とは違ったホテルの愉しみ方が出来るはず。長距離運転、もうヘッチャラだしね~。(⌒▽⌒)アハハ!

私達を迎えてくれる、其処彼処に生けられた四季折々の花々、お料理に彩りを添える漆器、少し古めかしくも歴史を感じる程に使い込まれた調度品とか、そんなあらゆるもの全てが織りなす調和が、そのホテルの個性であり色合いで、そこに浸れる心地良さを、静かに味わって堪能しただろうなって。そう、「静かに浸れる」という愉しみ方を、この30年の間に少しは覚えたんだよ、私。(笑)

ただ残念なことに、ホテルは閉館してしまったから、そういう機会を得ることは、もう二度とないけれど……。

営業を終了したホテル九重は、今、解体工事が進んでいるそうで、勿論、「じゃらん」等のホテル予約サイトからも紹介ページは無くなっちゃってるんだけど、何と「楽天トラベル」に奇跡的に紹介ページが残っていたのを発見!

楽天トラベル: 浜名湖かんざんじ温泉 ホテル 九重 宿泊予約

浜名湖かんざんじ温泉 ホテル 九重、【ここだけの浜名湖絶景を】純和風の天然温泉旅館。、■東名高速舘山寺スマートI.C』より車で約7分(駐車場無料)■JR浜松駅より無料シャトルバス運行中(事前予約制)、駐車場:有り 120台 無料

紹介ページは残ってるとは謂え、予約は勿論もう出来ない。本当にただ紹介のみ。
あと「Travel  Book」にも紹介ぺージが残ってた。

浜名湖かんざんじ温泉 ホテル 九重【 2022年最新の料金比較・口コミ・宿泊予約 】 - トラベルブック(TravelBook)

JR・浜松駅よりバスで40分/東名浜松西ICより車で15分。駐車場利用可能です。浜名湖に近くのどかな風景が広がる位置に建つ大型のホテルは、舘山寺大観音、鳥冠岩まで徒歩6分。景色もよく観光に最適のロケーションです。大浴場は「遠州絵巻の湯」「大正浪漫の湯」 の2種類。20種類のお風呂で心ゆくまで湯めぐりを満喫。保温効果の高い湯で体の芯から温まります。いけすに泳ぐ旬の素材の中から、自由に選んで食べられる「活き造り」。浜名湖名物の鰻など、新鮮な魚介の味覚を堪能できます。客室は、落ち着きある和室と和洋室。室内には、バス、温水清浄トイレ、冷暖房、テレビ、衛星放送、冷蔵庫、浴衣、バスセットなどのアメニティが備わります。

やがてこれらの紹介ページも、そう遠くない日に消えるんだろうと思う。

因みにWikipediaさんで、ホテル九重の2021年10月20日時点での公式ホームページがアーカイブされているリンク先が記されてあるので併せて紹介をば。
営業終了の直前の、まさに最後の公式ホームページを見ることが出来るみたい。

やがて、進んでいる解体工事が終われば、建物は無くなって更地になってしまうけど、訪れた私達の心の中には、両手を広げて迎え入れてくれるが如くに建っていたホテル九重も、ちゃんと思い出として残り続けるんだから、寂しいけれど、これはこれで受け入れなくちゃね。

そして、いつかまた、舘山寺温泉に行けたらいいな。
愛車と、ホテル九重の思い出と共に。

そしてお土産は勿論、うなぎパイだよね。(^-^)