徒然なるままに

日常のあれこれなど

祖母も母も好きだった『こぼれ梅』

時折、無性に恋しくなる『こぼれ梅』(「こぼれんめ」と我が家では言ってたけど)。亡くなった祖母も母も大好きで、私が幼い頃は、母とよくお墓参りを兼ねて清荒神へ行く度に、清荒神駅北出口前のお店「冨久屋」さんで買って、食べながら歩くのが常で、いつも買うのは一番大きい袋だった。

『こぼれ梅』は、みりんを造る際に出る搾りかすなんだそう。白くて、ほろほろとしてるけど、つまむと僅かにしっとりしてて、食べると酒粕よりか甘くて、独特の風味があるのよねぇ。一口頬張るともう、やめられない止まらないって感じ。気が付けば一袋があっという間になくなっちゃう。(なので当然、一番大きいのを二袋、三袋とか買っちゃってた)

あ、だけど、これ、若干だろうけど、アルコール分入ってるので、お酒に弱い人は要注意かな。鼻にふっと抜けるアルコールの感じとか、あと、たくさん食べると、もわ~んとする(胸やけとは言わないが、何か、もわ~んとする)みたい。これはお酒に弱い友人の感想だけども。
幸い、私は幼い頃から、祖母、母と二代にわたって「おやつ」として振舞われていたので、こぼれ梅程度のアルコール分はノープロブレムだけど。(いや、今思うと、幼い子供に「おやつ」として出したうちの祖母も母もどうかしていたと思うが……)

今、そんな祖母も母も、仏様になって、うちに戻ってきているけど。
あ……、こぼれ梅、買っといてあげれば良かった……って、ちょっと後悔してる。

我が家はいつも、前述の清荒神駅北出口前の「冨久屋」さんで買ってたんだけど、以前訪れた時には、もうお店を閉められているようだったのね。訪れたのは、ちょうど母が亡くなった頃だったかな。
もうね、凄くショックだった。えっ?! マジで?! って。
母親の月命日に、好きだったこぼれ梅を供えてあげようと思って買いに訪れたんだけど、まさかもうお店が閉められていたなんて。(T_T)
確かに母の看病とかで、「冨久屋」さんへの足が永く遠のいてたのは事実だけど、まさかもう「冨久屋」さんのこぼれ梅が買えなくなるとは思ってもみなかったから、目の前の光景が信じられなくてさ……。シャッターが閉まった店の前で暫く呆然と立ち尽くしてしまったのを覚えてる。
心の中に大きくぽっかりと穴が空いたような、そんな感じがしたな。

そう言えば、まだ母が元気な頃に訪れた時、お店のお姐さんと母は小学校が同じだって笑いあってたっけ。学年は少し違うようだったけれど……。
お姐さん、まだお元気でらっしゃるかな。

その後、人伝に「冨久屋」さんから少し離れた「さん志ょうや本家」さんでも、こぼれ梅を扱ってると聞いて、今は時折「さん志ょうや本家」さんを訪れて買い求めてる。
あ、「さん志ょうや本家」さんのHPからネット注文も出来るみたいで、決済方法は銀行振込の他にPayPalAmazon Payが使えるらしい。
でもネット注文だとお届けまでにかなり日数かかるんだよねぇ……。

こぼれ梅 (みりん粕 神戸・灘) (300g) - 高級佃煮 さん志ょうや本家(宝塚・清荒神)

清荒神参道の佃煮屋です。かつて梅林と山椒の木の畑があり、その山椒の実を清荒神の参道で初代根津喜一が商ったのが、そもそもの商売の初めであります。 お客様から「山椒屋さん」と呼ばれたのが由来となり「喜さんしょうや本家」の屋号でご愛顧をたまわっております。

祖母も母も好きだった『こぼれ梅』。
ネットでググると、清荒神さんだけじゃなくて、全国にわたって取り扱っている店舗さんや蔵元さんを見つけることは出来る。だけど私にとっては「わざわざ取り寄せるもの」ではなくて、いつも身近にあった「おやつ」だったんだよね。

だけど、昔ながらの製法(もち米と米麹を焼酎で発酵させるんだっけ?)でみりんを作ってる蔵元さんが少なくなっているから、今では希少なものらしくて。なら、これからますます『こぼれ梅』は手に入れるのも難しくなっていくのかも知れない。

我が家の母娘三代にわたって身近な「おやつ」として親しまれたものが、だんだん希少なものになっていくって、何だか少し寂しいな……。
勿論、それが時代の流れというものなんだろうし、過去にそういう流れの中で消えていったものも数多あったのだろうけど。
せめて、こぼれ梅だけは消えないで欲しいと思う。

それに、こぼれ梅、まぁ平たく言えばみりん粕は、意外と身体の健康に貢献する力を持っているらしいのね。

幻の食材?! みりん粕「こぼれ梅」

みりん粕を知っていますか?みりん粕は、みりんを作る工程で出るしぼり粕のことです。みりん粕は、原材料に糖分や旨み成分を加えて製造されるみりんにはほとんどなく、もち米と米麹を焼酎で発酵させる昔ながらの製法で作るみりんからしか生まれません。そのため、今では非常に希少性が高く、幻の食材とも言われているのです。

そう言えば、最近は甘酒も再び注目されているし。(米麹から作る甘酒ね)
こぼれ梅も同じ米麹繋がりだよ。(笑) こぼれ梅も、もっとフューチャーされていいと思うんだよね。

ほんと、美味しいんだもん、ほんのり甘くて。
アルコールちょこっと入ってるけどね、おやつよ、おやつ。
是非一度、ご賞味あれ!