徒然なるままに

日常のあれこれなど

St.GIGA(セント・ギガ)が心地よかったあの頃

今はもう聴けなくなってしまった衛星放送によるデジタルラジオ放送局の『St.GIGA。遡ること32年前の1991年に放送が開始され、その当時の衛星放送のBS-5chのWOWOWの独立音声で聴けたんだけど、若かりし頃はあの世界が心地よかった。

この『St.GIGA』について、Wikipediaでは

現在でも類を見ないニューエイジの思想に基づく放送局

セント・ギガ - Wikipedia

と記されている。まぁ、確かにあの独特な番組構成と音源で織りなされていた世界は、当時は珍しく、初心な(笑)私はすっかり虜になってしまい、その後の音楽の嗜好性に多大な影響を与えたものの一つであることは間違いないかな。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

放送を開始した1991年と言えば、私はまだ大学生で学費を稼ぐために大学とバイト先と自宅を行き来するだけの毎日だったように思う。世の中はバブル真っ只中の時代だから、他の同い年の友人と比べると結構「慎ましやかな」生活だった……はず。(笑) だからと言って羽目を外していなかったのか? と訊かれると、答えに窮するけども。(;^_^A アセアセ

そんなある日、突然、自宅のTVが映らなくなって、町の電器屋さんに見て貰ったところTVアンテナの不調が判明。早急にアンテナ工事の手配をして貰うことになったんだけど、その時に町の電器屋さんから『これを機にWOWOWに加入しはったら?』と猛プッシュがあったのよね~。今にして思えば、町の電器屋さんにも、それなりにノルマがあったのかも知れない。( ̄∇ ̄;) 当時はWOWOWも開局したてで、しかも有料放送だったしさ。その時代は「TVはタダで観るもの」って感じだったし(その代わりにCMというものが流れるんだけど)、BSアンテナは要るし第一、最初は加入するのに加入料が必要だったんだよ! で、WOWOW専用のデコーダも必要で、毎月、視聴料は払うわって、そりゃ、余程のことがない限りWOWOWには入らないよ~。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

……って思ってたのに、加入してしまってた。(爆)
いや、契約者名は私(アンテナ代もデコーダ代も加入料や視聴料を払うのも私)だけど「加入する」って返事したのは、今は亡き母親ですよ。(-"-;)
まったく「如何にも今加入すればお得」という町の電器屋さんの言葉にすっかりヤラれおってからにっ! (ノ_・。) (「お得」と言う言葉に弱い人やったからな……)

けれど、今にして思えば、そのWOWOWがきっかけで、『St.GIGA』を知ることが出来て、暫し心地よい時間を過ごすことが出来たのだから、これはこれでヨシと思える……って言うか、ヨシとしとこうよ。(笑) 

さて、その『St.GIGAという衛星ラジオ放送は、一体どんな感じだったのかと言うと、今の時代にこそ復活して欲しいと思う程に、癒しと言うか、洗練されたノンストレスな構成で、ほぼ音源だけが垂れ流しだった。人の声は殆ど入らず、入ったとしても番組の問合せ窓口の案内やコールサイン、詩のようなほんの僅かなフレーズくらいの語りで、森の中や海辺、星の瞬く夜空を見上げながらひとり佇み、自然の音とアンビエントな曲だけを耳にして微睡む心地よい時間そのもの。
言葉で説明しても多分殆ど伝わらないと思うので、かつて放送されていた番組プログラムをYoutubeにアップされている方がおられたので、下記に紹介。

因みに、この『St.GIGA』は、当時のWOWOW(BS-5ch)の独立音声で聴けるけど、聴くにはWOWOWの視聴料とは別に料金が必要で、月額600円くらいだった…かな? 但し、支払は1年分を一括払い=年払いだった。

開局してから暫くは、とてもいい番組構成だったし、私好みだったんだけど、今思えばちょっと時代を先取りし過ぎたのかも知れない。この放送局の母体は『衛星デジタル音楽放送株式会社』ってとこで『St.GIGA』は「世界初の衛星放送によるデジタルラジオ放送局」って言われたらしいけど、経営の数字的には芳しくなかったみたいで、数年もすると番組の構成も大幅に変更されて、ヒットチャートが流されたり、しまいには任天堂の参入で『スーパーファミコンアワー』というスーパーファミコンのゲームと番組の連動放送が始まって、私が当初、微睡むように溺れた世界はすっかり消え失せてしまったわけ。勿論、アンビエントニューエイジ番組も時間帯によっては放送されていたけれど、私の中では段々と別のものに変わっていった感じ。

まぁ、折しも私自身が大学生から社会人になっていったタイミングとも重なっていたこともあったから、そういう時期だったんだ……と言えなくもないけど。それでも、時折発売される『St.GIGA』の通信販売のCD「St. Giga Sound Calendar」や「Sound of the Earth」のシリーズを購入したりして、ゆる~く繋がって、視聴契約自体を解約することはなかったんだよね。

結局、この放送局の母体の『衛星デジタル音楽放送株式会社』が経営難で事実上倒産。一応、吸収合併で『株式会社ワイヤービー』の子会社になって、2003年3月31日まで『St.GIGA』として放送されて、4月からは局名が『Club COSMO(クラブコスモ)』に変わり、聴取料も月額1,000円に値上げ(支払方法は1年分を一括払い=年払い)になったわけですよ。この新聴取料の案内が解りづらくてね~。旧『St.GIGA』の聴取料も年払いだったからね。いつから値上げなんだ? って感じで。
まぁ、相当な問合せがあったのか、すぐに当時のHPで「旧料金での更新済みの人は、更新の期限まではそのまま聴取できる」って案内されたので、一安心したのは覚えてる。それに「聴取料の更新期限の到来時に新しい契約の案内を送る」ってなってたから、更新月まで聴取して、かつての良き『St.GIGA』時代のような感じに戻るなら、更新してもいいかなって、『Club COSMO』になっても解約はせずに、ゆる~く繋がりを保っていたのよ。何せ、私の更新月は1月だったしね。(笑) そんな感じで多少『Club COSMO』に期待はしてたんだけど、内容的には、私の好みにハマらなかったって感じ。

しかも、半年も経たないうちに今度は『World Independent Networks Japan株式会社』というところへ事業譲渡されちゃってさ。これも吃驚よん!
確か「譲渡後の放送について」みたいな冊子も届いて、番組の構成の予定とかも書かれてたような気がするけど、聴取料が3,000円に値上げ予定とあったのが衝撃的だった。余りに衝撃的でこれは鮮明に覚えてる! あーた、この聴取料は、WOWOWさんよか高いやん? てね。_(^^;)ツ アハハ
流石の私もさ、漸くここで「もうやめようかな」って思ったんだよね。だけど、詳細は決定次第改めて連絡みたいな感じで、それまでは聴取料無しの無料放送ってなってたから、案内がきてからでいいかって思ってた。
因みに、World Independent Networks Japan株式会社(WINJ)に移った後の放送は、ほぼ『St.GIGA』時代の「音の潮流」の再放送だった気がする。(やめようと思っていたけど、無料で聴けるのなら聴きまっせ! ってな感じで聴いてたけども)

……で、そんなこんなで暫く放送は続いていたんだけど、とうとう2005年3月31日の22時で、BS-5chの独立音声の放送自体が終わった! _(__)ノ彡☆ばんばん!

私はこの時点で放送を聴くのをやめました。……と言うか、聴けなくなったのよね~。何せ、その当時の我が家のTVはデジタル放送対応じゃなかったから!(爆)アナログ放送が終了になる直前まで我が家はTVを買い替えなかったので、BSデジタルの放送を聴きたくても聴けなかったんすよ。_(^^;)ツ アハハ

なので、BS-5chの独立音声放送が終わった後、BSデジタルで放送されていた『WINJ』の内容がどんなものだったかは判らないんだけど、ネットの情報によると、翌年には放送休止となり、遂には「廃局」になったとか!

ほんと、1991年に開局した当時の『St.GIGA』は衝撃だった。
魂ごと溺れたって表現が正しいかも知れない。一気に世界が開けるような、未知なるものにワクワクするような、モノクロの世界が一気に色づいていくような、そして「ひとり」をじっくりと味わえと言わんばかりに、自然の中に誘うあの数々の音源。
あのかつての『St.GIGA』が保有していた音源は、今はどうなっているんだろう? 順当に考えれば、吸収合併に事業譲渡と移り変わる度に新会社が引き継いだように思うんだけど、最後の『WINJ』が無くなったことで(法人は休眠会社になってるらしいけど)消え去ってしまったのかなぁ? だとしたら、本当に惜しいなぁ……って思う。

勿論、今でも懐かしい当時のタイド・テーブルの一部は聴くことは出来る。
当時『St.GIGA』を聴いていた方がYoutubeにアップしてくださってたりインターネットアーカイブに「音の潮流」の音源がアップロードされてたりするので、恋しくなったら聴いてるこの頃。

St. GIGA - Tide of Sound Archive : St. GIGA : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

St. GIGA - Tide of Sound Archive : St. GIGA : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

The following is an archive of St. GIGA's broadcasted program Tide of Sound (音の潮流) aircheck. The files are given as is from an anonymous source.

もし全ての『St.GIGA』の音源が見つかって、そしてもう一度、あの開局した当時のようなタイド・テーブルという時間の区切りの番組構成で復活してくれたらな~って思う。現実的には、ほぼ無理だろうとは思うけどね。(;^_^A アセアセ

だから、そんな『St.GIGA』が懐かしくて、たま~にネットとかを検索すると、同じように当時の『St.GIGA』をご存じの方のブログ記事とかを見つけることが出来て「そうそう! そんな感じ!」って共感して嬉しくなっちゃうんですよ。(笑) 下記のmatonaoさんのブログもその一つ。

St.GIGAという放送局があった|matonao

St.GIGAという放送局があった|matonao

今年の夏至新月と重なり、加えて日食もあり、とてもパワフルで、私の意識は空高く衛星くらいの場所へのぼっていた。気がつけば私は、youtubeで「St.GIGA」と検索していた。 セントギガ。今どれくらいの人が記憶にあるだろうか。1991年3月31日、wowowの開局とともに始まった衛星ラジオ放送。wowowの余った2帯域を使った音声放送で、テレビをつけて真っ暗な画面で音を聴く。 当時の日本で、衛星放送というものは始まったばかりの特別なものだった。 テレビは居間にしかなかったから、私は中学3年生で部活を引退すると、母がパートから帰ってくるまでの時間を、St.GIGAを聴きながら制服の

今、冷静に考えてみると、『St.GIGA』の開局当初の番組構成(タイド・テーブル)は、営利企業が扱うには「尖り過ぎたコンテンツ」で、採算ベースに載せるのは至難の業であったろうってのは容易に解る。けれど、いつかまた何処かで、あの『St.GIGA』に出会えたら嬉しいなって気持ちは消えないのよ~。あの稀有なコンテンツは、今の時代でも十分魅力的だと思ってるし。

「人に期待する前にまず自分で何ができるか考えろ!」って叱られそうな気もするが、そりゃぁさ、自分で何とか出来るスキルがあれば、やってますがなっ!(爆)
けど、真剣に考えるなら、まずはあの音源よっ! マジで録るの結構ムズイよ?!

えっ? 屋久島とかに録りに行けってか?(爆)Σ(゚□゚;)

……宝くじ当たって、仕事辞めても生きていける程の十分な資金の余裕が出来たらさ……まぁ、考えてもいいよ! _(__)ノ彡☆ばんばん!